女タラシの幼馴染に片想い!完


走る足は止まらない。

止められない。



今止まったら涙が堪えきれなくなる。




そう思い、必死に走ってたのに‥‥‥









「っ、杏珠!!!!」





誰かにうでを掴まれた。




「‥‥‥っはなし‥‥‥っ!」



だれ!?
そう思いながら振り向いた先には、呼吸を見出しながら今にも泣きそうな表情を浮かべた緋色が私の腕を掴んで立っていた。






しっかりと握られた腕から伝わる緋色の体温に切なくなった。




もう、



この手を掴むことは許されないんだ‥‥‥。










そう思ったらまた涙が溢れてきて。








「ふぇ‥‥‥っ、も、辛いよー‥‥‥」








柄にもなく、初めて緋色の前で泣き崩れた。






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