君の居場所
『とう、さん・・・?
母さんは?』
『大丈夫だ。
大丈夫。
それより今は逃げるぞっ』
『うん・・・』
ダー、と、物1つ無い道を走る。
荷物は数日前から片付けて、
新しい家に送っておいたから家には靴箱の中の刀くらいしかなかった。
母さん。
生きてて。
またいっしょに、ごはん食べようよ。
バァン―――――
やっと外に出られた。
一緒に着いて来ていた春音の両親も、とりあえず一息ついた。
疲れた俺は、安堵感と共に、眠りについた。
だから、それから何があったのか、よく分からない。
けど、これだけは分かっていた。
誰かが俺を、新しい家まで運んでくれた事を――――――