君の居場所


パチッ



『ん・・・、あさ?』



眩しい光と、いつもよりふかふかなベッドで目が覚めた。

ここは、どこ?

初めに浮かんだ疑問はそれで、何が何だかよく分からなかった。

気付いたのは、自分の上体を起こした時。

そうか、じぶんはだれかにあたらしい家につれてこられたのか。

じゃあ、家には人がいるのか。

それが・・・

居なかった。



『だれかー!

ねえ!

いるんでしょー?

ねえったら!

いるならへんじしてよぉ』



そんな自分の声も、虚しく空間に響き渡るだけであった。

誰も居ない、一軒家だった。

1人で居るにはでか過ぎ、とてつもない広さだった。

ふと目に留まったリビングのテーブルの上に―――――


1枚の紙切れが置いてあった。






< 105 / 174 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop