君の居場所
『な、何だよぉ・・・この紙。
それに、このてちょう、なんなの?』
驚いたと同時に、恐怖で汗がにじんだ。
これは方法は違えども、春音のような感じで。
何とも言えなかった。
つまり、手帳は通帳だったのだ。
そして問題の紙。
なんてひどい言葉だっただろうか。
思い出すだけで吐き気がする。
紙に書いてあった内容はこれだ。
『頼斗へ
俺や母さんはお前の事、愛してるからな。
それだけは言っとく。
決して捨てた訳でもないし、すぐに帰って来るはずだ。
それまで利口にして待ってろよ?
もし・・・
お前に何かあったら、ここに電話しろ。
置いてある通帳は使え。
お前が一生困らない分だけの額が詰まっているから。
ごめん。本当にごめんな。
絶対戻って来てやるからなっ
辛抱してくれ・・・父さんもお前を愛してるから。
by父さん』