君の居場所
けど、今なら?
ね。
信じられる気がするでしょう。
「よーしっ。
後、2時間受けたら帰れるっ。
頑張らないとな、頼斗。」
私が男口調になり、というかなっていたけど。
とにかく、けじめのようなものが感じ取れたのだろう。
「ああ。」
頼斗がそう言い、それっきり私達は話さなかった。
この空気は冷たく無く、とても優しくて温かかった。
だから、全然嫌じゃ無かった。
無言の教室までの帰り道は、ほど良く過ぎて行った。
「じゃあな。」
頼斗が柔らかく言った。
「ん。じゃあ。」
素っ気ない返しをした。