君の居場所


別れてしばらくした時、チャイムの音が鳴り響いた。



「席着けー」



教師の言葉で、キャーキャーしていたみんなが席に着く。



「倫理の授業だ。

始めるぞー」



✻ ✻ ✻ ✻ ✻ ✻ ✻ ✻ ✻ ✻ ✻



「ゅ・・・う、悠っ」



うるさいなあ。

マジで邪魔なんだけど。



「悠っ!」



うるっさい!



「何だよ!」



自分でも何だよ、と思うくらい声が低くなった。



「う、ごめん。

えっと、もう帰る時間なんだけど。

お前寝てるし、起こそうかどうか迷ったわけ。

でも、俺は善意で起こしてやったんだからなっ!」



長袖の彼が言う。

そう。今話してるのは忍なんだけど。



「えっ、僕寝てたの!?

じゃあ、終業式は?」



「・・・。

もう、終わった。」




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