君の居場所
忍が静かに言った。
「そうなんだ。ま、いっか。」
別に怒られるわけでもないし、ね。
じゃあ、僕は帰る
そう言おうとしたのに、
「あのさっ」
という声にかき消された。
「ん?何か?」
「や、えっと・・・
やっぱ、何でもねーわ。」
そ、そうなの?
何か言いたかったのかもしれないけど、
今の私には時間が無い。
頼斗が待ってるかもしれないし。
「じゃ、僕は帰るよ?」
それだけ言って、急ぎ足で教室を出た。