君の居場所

「今･･･伝えていいのか分かんねぇけど。

俺、春音が。春音の事が･･･」



「頼斗。ダメ。

今はもう少し待って。

私もだから。でもね、今はけりを付けたいの。

お母さんとお父さん、どこにいるか分からないけど。

探し出して、またたくさん話すの。

きっと頼斗のお父さんとお母さんもいるから。

ね？けりつけるまで、待って？」



それって、ある意味春音も俺を･･･。

今はダメ、って。

じゃあ、俺は絶対父さんと母さんを見つける。

それで春音の両親だって。

春音に幸せが訪れるなら、俺はもう何も望まなくていい。



「なぁ、春音が言いたかった事、言って？」



俺は、春音の頭を撫でながら言った。



「私、の言いたかった、事、は･･･。

たぶん、頼斗が言った〝娜麝〟の事。

私は自分の〝力〟の事が言いたかったんだ。

人並みじゃない〝殺しの力〟を持ってるのが、

私だけじゃなかったなんて。」