君の居場所
頼斗がそう言ってくれると、なんだか心強い。
私は何度もうなずいた。
頼斗は、優しすぎるんだ。
いつか、私を守っていなくなっちゃいそうで怖い。
居なくならないで。
傍にいて。
その時になって、そんな事が言える勇気、私にある?
きっとさんざん傷付けて、心が静かに崩れ出す。
そう言ったところで、聞いてくれる人なんていなくなるのに。
もしも、なんてもの、来なければいい。
“もしも”、“もしも”が来るのなら、それは私たちが幸せに笑える時。
“もしも”は、無限の可能性を広げる。
「頼斗は・・・」
「ん?」
「頼斗は、“もしも”を信じる?」
きっと頼斗も信じないんだろう。
私と同じで。