君の居場所
相手の下っ端も、刀を鞘から抜き出した。
それを待っていたかのように、
西風の副総長が一言発した。
「始め。」
掛け声とともに、相手はドッと走り出す。
だが、彼女はよもや簡単だと言わんばかりに、
華麗な動きで受け流した。
どれもこれも、一太刀一太刀の打ちが弱い。
これでは、到底彼女には敵わない。
彼女には、勝てない。
しかも彼女はまだ、
左手でやった時の10分の1の力も出していないのだった。
「クッ・・・。
何で1太刀も当らねえんだ?」
相手が苦戦する中、
彼女は極めて無表情だった。
彼女には一向に変化など現れない。
いや、少し変わったところがある。
〝瞳〟の色だ。