君の居場所
スウッ
と、空を触れる音が響いた。
少女が気付いた時にはもう遅く。
恐る恐る振り向けば、
金髪の大人の男が数人、少女を睨(にら)んでいた。
「返せ!」
そんな少女の声は無に等しく。
男達は少女の頬(ほお)を一発殴った。
所詮(しょせん)刀がなければ、
少女はただのか弱い少女なのだ。
「やっ、やだっっ」
叫べば、
「最近よく暴れてくれんじゃねぇかよ」
「正統派?ざっけんなよ?刀持って何言いやがる」
「喧嘩(けんか)なんて、お前には早ぇんだよ」
「弱ぇーくせにつっかかってくんじゃねぇ」
と、男達が怒鳴り散らす。
「だ、誰か!」
必死こいて助けを求める少女とは裏腹に、
彼等は冷たく少女を見下ろした。