君の居場所
「まあ、いいや。で・・・
攻めるのか?」
ああ、竜か。
当たり前の事すぎて、何にも言えなかったよ。
「そうだな・・・。
でも、僕1人で行く。」
「はあっ?
春、意味分かってんの?
死ぬかもしれないんだよ?
もし、春に何かあったら・・・あたし、どうすればいいのよ?」
「〝もしも〟なんて、ありえない。
僕は強い。
死ぬ事も無ければ、傷1つ負わない。」
夏菜は心配しすぎだ。
たとえ僕が死のうが、死んだのか、で終わればいい。
なのに、何をそんなに悩む?
「だって春音は、女だろ?
1人で、とか思っては・・・、無いよな?」
隆が口を開き、
長い長い沈黙が流れた。
その沈黙を破ったのは、僕。
「僕1人で足りる。」
その1言が、何を意味するか分かったはず。