君の居場所
目を開けると、そこには一面の夕空が見える。
雲の間から覗(のぞ)く夕日が輝く。
それは、何かの前兆のようで。
ゾクリとする、恐ろしいものであった。
ここは学校の屋上。
今日の授業は全て受けず、ずっと寝ていた。
そして今。
僕はここを出た。
サボるのは何度もしてきたから、
手練(てだ)れになった。
さあ。
これから僕は、夜の闇へと向かう。
どうどう、と、吹き付ける風が頬に鋭く当たる。
邪魔だ。
一瞬、この風を斬りたくなった。
僕にとってのそれは、
邪魔で邪魔で仕方ない。
邪魔な物,者は斬っていく。
いらない。
何もかも消えてしまえばいい。
全て。
この世界も全て。
幾千,万もの者を斬ってきた僕。
それは今日、これからもする事。
だから僕は行く。