君の居場所
「ウワァァー」 「助けてくれー」
「アァァァー」「死にたくねえよっ」
「ヒィィィー」「見逃してくれぇ」
情けない声が響く中。
彼は来た。
通る道を皆によけられながら。
情けない声も次第に収まり、
それは喜びへと変わる。
彼を見た者は皆、がんとして喜び、声を上げる。
そう。
彼は、僕並みの力がある人物。
ここの、総長である。
カツ カツ カツ カツ
一定で歩いていた足音を、彼はふと止める。
そして、真っ直ぐこっちを見ながら言った。
「それ以上、殺ってはいけない。」
と。