君の居場所
彼に目をやると、目があった。
真っ直ぐに、全てを見透かすような眼。
僕の心の中を見たような、
知ったような顔で見ないで。
その黄色の鋭い瞳で、
射抜かないで―――・・・。
手の力が緩み、
刀を持っている事さえできなくなった。
刀は、いともたやすく手から滑り落ちた。
カチャン
という、虚(むな)しい音。
フツッと、
立っているのも出来ないくらい力が抜けた。
次の瞬間、僕は前に倒れこみ、意識を手放した。
ドサッ