君の居場所
シャリン シャァ
甲高い、刀と刀が擦れ合う音がした。
この場の中央で戦っていた彼らは、
今や竜と隆の方に寄っていた。
2人は少しずつ、頼斗に押されていた。
それは傍(はた)から見ても分かりやすく―――・・・
「許せ」
頼斗のその呟きで、
壁へと後退させた彼らの刀を自分の刀で跳ね飛ばした。
―――いや、斬った。
2人の手には、切断された刀が握られていた。
つまり―――彼らの負け。
「少しの間だからな!?
ちゃ、ちゃんと面倒見ろよ?
俺らの大事な緑鬼なんだから。」
そう言った竜は、どこか悲しそうで。
「緑鬼の事、頼むな?
泣かせでもしたら・・・、どうなるか分かってるよな?
迎えに来るから、その時までお願いな。」
2人は頭を下げて頼んだ。