君の居場所
僕は、一連の事を話し終えた。
「「・・・。」」
お互い無言になる。
きっとこの人は、同情するんだ。
だから、僕は
「頼斗も同情する?」
と、小さな声で聞いてみた。
声が上ずり、妙に弱々しくなってしまった。
「いいや。
同情はしない。
ただ―――」
な、何?
軽蔑でもした?
まあ、覚悟の上だったんだけどさ。
でも、返ってきたのは違う言葉で。
「ただ、お前を守ってやりたくなった。」
ホロリ―――
何かが頬を伝う。
温かい、涙。
「泣くな。
お前には仲間がいる。
何なら、俺もいる。
今はまだ、お前を預かる事になっているが、仲間は迎えに来るはずだ。
何が何でも、緑鬼を、とな。
お前は1人じゃない。
誰かを頼れ。」