君の居場所


僕は、一連の事を話し終えた。



「「・・・。」」



お互い無言になる。

きっとこの人は、同情するんだ。

だから、僕は



「頼斗も同情する?」



と、小さな声で聞いてみた。

声が上ずり、妙に弱々しくなってしまった。



「いいや。

同情はしない。

ただ―――」



な、何?
軽蔑でもした?

まあ、覚悟の上だったんだけどさ。

でも、返ってきたのは違う言葉で。



「ただ、お前を守ってやりたくなった。」



ホロリ―――

何かが頬を伝う。

温かい、涙。



「泣くな。

お前には仲間がいる。

何なら、俺もいる。

今はまだ、お前を預かる事になっているが、仲間は迎えに来るはずだ。

何が何でも、緑鬼を、とな。

お前は1人じゃない。

誰かを頼れ。」







< 62 / 174 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop