君の居場所
「春音は春音だろ?
もう、男のフリなんてやめて、本当のお前になれよ。
自分には嘘つくな。
本当はもう、ありのままの自分でいたかったんだろ?
だったら春音に・・・、女になればいい。
それでいいんだ、な?」
何でっ。
こんなに優しいのっ!?
「どう・・・して、私なんかにっ、優しくっ、してくれるの?
おかしいよぉ。
みんな私なんか、要らないくせにぃぃぃ!」
涙が次々に溢れ出す。
ずっと、聞いて欲しかったんだ。
「春音・・・。
お前がいらない奴のはずがない。
火花だってお前を求めてる。
春音は必要とされているんだ。」
どうして、そんな綺麗な事が言えるのだろう。
頼斗の一言は、まるで薬のようで。
心に広がる靄(もや)が、すっきりと晴れる。