君の居場所
「はあ・・・」
頼斗のひときわ大きなため息が聞こえた。
え?え、何?
シュルッ―――
そんな鞘を抜く音が、静かにこだました。
シュアァッ
刀を一太刀振るう音が聞こえた。
私の後ろに居た冷鬼が、サッと避けた。
それにつられ、私も避ける。
もうっ、危ないなぁ。
当たらなかったから、良かったんだけど。
とりあえず雑魚(ざこ)は私が片付けようかな。
冷たい強風が一吹き、雑魚達を襲う。
弱いなぁ。
私のたった一太刀で倒れるなんて。
雑魚全員で、18人。でも、弱い。
たったの一太刀なのに。
それだけで倒れた。
あの子はどうなったのかな。
まだ、そんなに服もはだけて無いし・・・。
少し胸を触られただけかな。
「大丈夫?」
一言発せば、今まで少し離れて見ていた女が近寄って来て、
「はい、ありがとうございます。
も、もしかして
緑鬼さんと、頼斗さんですか?」
と、言った。
あ、分かった?
まあ、それもそうだよね。
「あっちに居るのが頼斗。
あいつと戦ってる奴。
で、僕が緑鬼。」
・・・って、これ相当ヤバくない?