君の居場所
腕しか目立った切り傷は無い。
ツゥ―――
腕から血が流れ、滴る音がする。
殺し屋は・・・冷鬼はすぐに帰って行った。
言ってなっかったけど、
殺し屋の冷鬼は仮面をつけている。
殺し屋の冷鬼の顔も分からない。
そして、黒いマントに身を包み、
姿が見えないようになっている。
顔に続いて、体つきも分からない。
殺し屋の冷鬼は、分からない事が多すぎる。
ただ一つ分かる事は、
冷鬼は私達のように刀が扱えるという事。
さっきだって、刀を持っていた。
それでもやっぱり、分からない事が多すぎるんだ。
冷鬼が何でこんな所に居るのかも分からない。
頼斗と、殺し屋の冷鬼の小さくなっていく背中を見ながら、
互いに笑みを浮かべ合う。
「でも、冷鬼って何でこんな所に居たのかな?」
小さく呟き気味で言うと、
「ここで仕事があったからじゃないのか?」
と、返された。
「そう、なのかな。」
「そうなんだろう。
さ、家まで送って行くから歩け。
今日はもう遅いんだからな。
ほら、行くぞ。」
その声と共に私は歩きだす。
マンションまで付き添ってもらって別れた。
『何かあったらおれを頼れよ?
あと、今は火花にあまり関わるな。
関わるなら、西風だ。
分かったなな。』
頼斗の言葉を聞いて―――・・・