君の居場所


いつも通り、竹刀袋に竹刀と刀を入れる。

ワイシャツを着て、ズボンを穿く。

ソックスに足を通す。

うーんと、一伸びして、朝食を作る。

今日もトーストでいいかな。

いつもと変わらなすぎて、何かあれだけど。

チン♪

そんな音がして、

辺りにはこんがり焼けた匂いが。


お・い・し・そ・う!


あれ?

私ってこんなに感情表現出来たんだっけ?

悔しいけど、これも頼斗のおかげね。

ありがとう。

パクパク

5分ほどして、やっと食べ終わった。

少食だから、朝はあんまり欲しくないんだよね。

でも、あの人との約束だから。

・・・っ!

何で、あの人が!

あの人は私を裏切った。



『出されたモンは残さず食え!

朝昼晩、俺が居なくても、きちんと食えよ?

少しずつでもいいから、な?

食わなかったら、組の奴らに監視を頼むぞ。』



あの人は、そう言ってた。

あの人―――・・・

陰坂 崚(かげざき りょう)、蘭組組長が。






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