君の居場所
「悠様、今日も竹刀とか何やらを持って来られたのですか?」
え、持ってきちゃ悪いのかよ?
本当、ムカつく。
こんな奴らが私と同じ、女だなんて。
あんたらは女じゃねぇよ、って言ってやりたい。
「ちょっと、失礼じゃない!
あんた、悠様に向かってなんていう口の利き方してんのよ!
あ、悠様。
こんな奴無視してくださいね?
ブスの言う事は聞かなくても・・・」
「おい、邪魔だ。どけ。」
誰が言ったのだろうかと、横を見れば彼であった。
「頼斗・・・。」
とても静かな声だったから、頼斗以外聞こえてない。
相変わらず、端麗な顔立ちだな。
綺麗な琥珀色の目。
人目を引きつける、その姿。
頼斗はすごいな。
「昨日は、何にもなかったか?」
小声で言う彼を恋しいと思ったのは、
気のせいなのでしょうか。
とりあえず今は、そういう事にしておこう。
「ん。
緑鬼としても活動してないし、ずっと家にいたよ。」
ヒソヒソ言うと彼は、フッと笑って、良かった、と呟いた。