君の居場所
頼斗が安心したように笑うと、こっちまで安心出来る。
頼斗パワー?
なんちゃってね。
「悠、こいつって・・・、小野 頼斗だよな?」
突然忍に声を掛けられてビックリしたのもつかの間、
何で頼斗の事を知っているのか、不思議でたまらない。
「うん。
そうだけど、知ってたんだ頼斗の事。」
そう言うと、さもおかしいというように、クックッと笑った。
「当たり前。
小野 頼斗って、有名じゃん。
西風の総長にして、ルックスのいい学校一のモテ男。
どうせお前の事だから、最近気付いたんだろ?」
うぅっ。はい、そーですよ。
一月くらい前にしか気付きませんでしたよーだ!
で、でもいつも他人に興味のない忍こそ、私よりも後に・・・
「俺は入学早々分かってたけどな。」
う、うざしっ
何だよ、もう。
きょ、競争なんかじゃないんだからさぁ。
「お前ら、もう8時24分だぞ。」
いつの間にか時計を見てた頼斗が、ぼややく。
「え!HRやべぇ。」
忍がそう言い、急に走り出した。
いつの間にか、女達は居なくなっていたらしい。