君の居場所


教室を見渡せば、忍がきちんと席に座っていた。

当たり前か・・・。

ずい分な時間差だったと思うしね。



「あら?

悠様、今日は珍しく遅いんですね。」



クラスの女子が言う。

遅いって言われても、

まだ先生は居ないし、第一頼斗の方が遅く教室に入ってるはずだよ?

まあ、頼斗と私はクラスが違うから、

仕方のない事だと思うんだけど。

何か、さっきの頼斗の態度思いだして、

またムカついてきた。

私だって、

守られるだけのお姫様なんかじゃないんだから、

自分で何とかするのに。

火花の事だって・・・。

頼斗はさ〝俺を頼れ〟的な事を言ってたけど、

頼斗こそ私を頼ってよね!

私は何か出来るわけでもないと思うけど。

でも。

頼ってほしいとは思ってるんだよ。

あなたの事、聞かせてよ。

それが今じゃなくても、

何年か後でも私は待ってるから。

頼斗の気の向いた時に。

その苦しそうな顔の正体や・・・、頼斗の過去も。

いつでもいいの。

ただ、いつか・・・言ってくれると嬉しい。

心の準備が出来てからでいいから。

お願い。






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