君の居場所
あの時、春音は居なかった。
今まで探していたのに。
それが、こんなにも近くに居ただなんて。
同じ学校で、火花の総長緑鬼。
近いようで遠い。
けど、これは俺生涯の不覚だ。
『頼斗、言いたくないなら言わなくてもいいんだけど、
何かあったら私だって協力するからね!』
ふと思い出した、さっきのあの言葉。
言いたくないんじゃない。
ただ・・・言えないだけなんだ。
これもあの人との、約束だから。
『約束できるか?』
幼き頃に言われた最後の一言。
今、あなたがどこに居るのか、
生存しているか、それすらも分からない。
けど、春音を残し、
死んで行くのだけは止めてほしい。
あなたは、いや、あなた達は、
春音にとってたった1つで、
とても大切なかけがえのない人達だから―――・・・
あなた達は春音の、―――・・・なんだから。