君の居場所


春音は、この事は知らないはず。

だって、何が何だか分からない、

といった顔で俺を見てきたんだから。

俺はそれに答える事は出来ない。

きっとあの人達も、そう願っている。

だから、一生春音は知らなくてもいい。

出来ればお前に聞いて欲しい。

矛盾してるんだって、分かってるんだけど。

それでもやっぱり思ってる。

どこかで、聞いて欲しいって。

俺はお前が、大切なんだ。

つい最近初めて会った、そう思うかもしれないけど。

この気持ちはそんなに甘くはない。



〝好き〟ではなく、〝大切〟なんだ―――・・・。



もどかしいこの気持ちは、何なんだ・・・?

俺はいったいどうしたい?

ああっ、本当グジグジ悩むのは性に合わねぇ。






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