君の居場所
どうせ誰かはこんな運命を辿っている。
いや、辿らなければいけない。
そのうちの1人が僕だったというまでである。
仕方のないこと。
ミーン ミーン ミーン ミーン
一歩外に足を踏み出すと聞こえた、セミの鳴き声。
そういえば夏だったなぁ。
傍らに竹刀と〝ある物〟を入れた竹刀袋。
ある物・・・、日本刀だ。
誰も刀が入っているのだと気付かないだろう。
ましてや、僕が刀を扱えるとは思わないはず。
そう。
竹刀が入っているだけ。