君の居場所



「うっし。じゃあ、SHRやっか。」



それから先生の話を適当に聞いて終わった。

はぁ・・・

考えるのは彼女の事だけ。

あいつが教室に入る前に言った言葉だ。



『言いたくないなら言わなくてもいいんだけど、

何かあったら私だって協力するからね!』



何でそんな事言うんだ?

協力なんて、信頼している仲間がするもんだろ?

ハッ

もしや、春音は俺を信用してんのか?

って、自意識過剰か。

春音は思い出してくれないのだろうか。

〝あの時〟の事を。

でも、無理だろうな。

あの時、春音の両親が、春音をほうって行ったんだから。

捨てた訳じゃ無いけど、春音は捨てられたと思ってる。

その裏に隠された残酷な真実よりかは、この虚実の方がマシだ。

本当の事を言ってやれなくてごめん。

知ったら、もっと傷付く。

辛い顔をする。

悲しい顔をする。

涙を流す。

〝もし〟真実を打ち明け、涙を流したら、俺の胸で泣け。

きっと、その時は来ない。

いや、絶対に来ない。

来てはならないんだ。

お前を守るから。

絶対に離さねぇから。

だから、心の中ではお前に語っていいか?

俺が知る全てを―――・・・






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