君の居場所



『ら―い君っ。

あのね、あのね、あそこにおっきなお花があったの!

いっしょに見に行こうよ。』



これは〝俺ら〟が4歳の時。

俺らは4歳の時に出会った。



『うんっ。いいよ!』



そう言った俺は、まだまだ幼くて。

あどけない笑顔を見せた。

俺らは、家が隣同士だったからか、とても仲が良かった。

俺らが一緒に居るのは、いつもの事だったんだ。



『いやぁ、頼君にはうちの子、任せられるわ。

これからも、頼んだわよ。』



彼女の母は、いつもそう言った。

だからか俺は、彼女を全力で守るようになった。




『頼斗、ちょっと良いか?』



俺の父親が、ある日突然、本当に突然、言い出した。

何かあるのかな、くらいにしか思わなかった俺は、とても甘かった。

俺の家は和風で、結構大きかった。

長い通路をとって、父親の居る書斎へと足を踏み入れた。



『なぁに?

父さんがお話って、めずらしいね。』



『ああ。

今日はお前に、この家の事を教える。』



その時、どういうことか、理解に苦しんだ。





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