君の居場所
『はぁ』
こういった重い気持ちの時は、彼女の家に行く事にしていた。
だからその日も遊びに行った。
ピーンポーン
チャイムを鳴らせば、彼女がすぐに出てきた。
『春音ちゃん、どこか行くの?』
家の中から響いてきた声。
そう。
ずっと言っていた彼女とは、春音の事だった―――・・・。
『ううんっ。
らい君がねー、あそびにきたの!
お家であそんじゃ、だめ・・・?』
俺は、春音と一緒に居られたらそれで良かった。
『ふふっ。
相変わらず、仲が良いものねぇ。
いいわよ。
上がって来なさい。』
春音と一緒の無邪気な笑顔で、
『おじゃましまーすっ』
と言って、春音の家に入れてもらった。
春音の家も、俺の家と同じように、大きい。