私と、はると、さくら。


「どうした?春?
腹痛いのか?」

「え?」

「なんでそんな泣きそうな顔してんの?」


波琉君は困ったのように
私を見つめた。

恥ずかしくなってパッと顔をそらす。



見ないでほしい。
こんな不細工な私を見ないでほしい。



「春」


そんな優しい声をかけたら、
私は泣いてしまうから。

君のそばにいたら、
不安と幸せが混ざり合って、

何でか無償になきたくなるの。



「春?」

「…何?」


私は顔を背けたまま返事する。





「帰ろっか」









< 4 / 13 >

この作品をシェア

pagetop