私と、はると、さくら。


「へ?何で?」


お腹空いたって…
駄菓子屋さんに行くって…


「つまんなそうだから。春が」


どうしてそんな悲しげな顔するのかな。


何で、そんなに…






つらそうなの?




「……ごめん」

「いいよ。俺こそゴメンね
帰ろ?送るよ」




違う。

そういうゴメンじゃない。



そんな泣きそうな顔してるから…

だから…



「ごめん」


って言ったんだよ。



「ちょっ、春?」



ゴメンね、波琉君。
やっぱり涙は我慢できませんでした。


不細工な顔を見せたくなくて、
私は波琉君の元を走り去った。


視界がぼやけて前もよく見えなくて。
海から吹いてくる潮風が
私の髪にへばりついてベタベタする。
呼吸もしづらくて。血の味もした。


でも、そんなことどうでもいいくらいに。





私は、自分が嫌い。
やっぱり嫌い。

…………大嫌い。









< 5 / 13 >

この作品をシェア

pagetop