私と、はると、さくら。
体操座りをして、
脚に顔をうずめる。
声を漏らさないように泣いた。
ただただ、泣いた。
何で泣いてるのか、
何で泣きたいのか。
もう分からなくなっていた。
でも、泣き続けた。
「ごめんね、波琉君」
そう呟いたときだった。
「泣かないで」
「へ?」
誰かが私に声をかける。
驚いて顔を上げた私は、
また驚く。
いつの間にか日が落ちて
暗くなった部屋の中に
1つの淡い光。
涙でぐしゃぐしゃの私の顔を
優しく照らしていた。
その光の中心にいたのは
小さな女の子。
「誰?」
私がそう聞くと、
彼女は羽をひらりとさせ、
柔らかそうな髪を
ふわりと揺らした。
「妖精です。」
「…よ、うせい?」
妖精さんは嬉しそうな顔をして
こくりと頷く。
「願いを1つ叶えてあげる」
「願い?」
彼女は小さく微笑んで、
もう1度頷いた。