暗い夜
でも、1つだけわかる。
私は、私の嫌いな景色がわかる。
見てるだけで暖かくなるようなあの景色が私は大っ嫌いだ。
「あれ?ぼーっとしてどうかした?」
「......いや、別に」
宇賀神が顔を覗き込んでくるものだから、思いっきり目を逸らす。
宇賀神と目なんか合わせていたら、思っていることを見透かされそうで怖い。
「はぁ......」
なんか、疲れた。
宇賀神の方を見てみれば、「逸らされた......、嫌われてんのかな...」なんてぶつぶつ呟いている。