ライトブルー
私と浅黄はいとこだ。私が二十歳、浅黄は十九歳。
都会での私のひとり暮らし計画は、浅黄の大学入学と同時にあっけなく砕け散った。
「最悪、おまえマジ最悪」
夜、浅黄は案の定ひどく不機嫌だった。
「弁当箱開けたらさぁ、腐ってやんの。しかもさぁ、昨日のパイナップルとか、マジありえねぇって!」
こういうときは言いたいだけ言わせとく。
「おまえ、里帰りしろよ! ほんっと邪魔!」
「はい、お待ちかねのカルボナーラ」
無造作に私は浅黄の皿をテーブルに置いた。
「何であんた最近、里帰り里帰りってうるさいの?」
「えー、おまえが邪魔だから」
「あっそ」
そう言って私は洗濯機の電源を入れた。
何だろ、「邪魔」ってね。
――もしかして、彼女でもできたのかな……浅黄の奴。