ライトブルー
約束
「あー疲れた」
帰宅するとまたしても浅黄が入り浸っていた。
「なぁ楓、バイト楽しい?」
こいつは本当にのんきな奴だ。
「あ、そうだ!」
思い立って私は台所へ向かう。
「お母さん、大事な話があるの」
「話? 何?」
「向こうにある部屋なんだけど、引っ越したいの」
「何で? 浅黄くんと一緒に?」
「ううん。私、独り暮らしがしたい」
「なぁ、何の話?」
浅黄が話に入ってくる。
「独り暮らししたいって話」
「はぁ? 何それ」
「要するにあんたと一緒に暮らすのが嫌なわけよ」
しばらく沈黙が流れた。