ライトブルー
星空の下、彰吾は呟いた。
「何か違うんだよなぁ……」
「何が?」
「いや、何かこう……雰囲気がな」
「雰囲気って?」
「雰囲気っつうか、何だろ……俺らってやっぱりドライだよな」
彰吾は笑いながら言う。
「私に告白したときもドライだったね」
「ああ。そのとき、俺自身も楓みたいにドライなんだって気づいた」
「でもさ、ぶっちゃけ彰吾といちゃいちゃラブラブとか、考えられない」
私はそんなことを率直に言ってしまう人間だ。
「まったく、おまえほんとひでぇ奴だな。目の前は海で、上は星空だぜ。こんなロマンチックな状況下でその言い草は何だよ」
私と彰吾は笑い転げた。まあ、たしかにそう言いたくなるのもわかる。