【短編】束縛彼氏
北大路くんは、笑いながらコンビニの袋から肉まんを2つ取り出した。

「はい」

あたしの目の前に差し出される肉まん。

「いいの??」

「うん。食べて」

「ありがと」

そっと肉まんを受け取った。

「なにがあったか、聞いちゃ駄目??」

北大路くんは肉まんを頬張りながら、あたしに聞く。

聞いちゃ駄目か聞いてもいいかと言われると、聞いて欲しい。

この、モヤモヤした気持ち。

誰かに聞いてもらいたい。

だから、あたしは北大路くんにさっきのことを全て話した。


「そっか」

「あたし、どうすればいいかわからなくて」

もう食べ終わった肉まんの袋をいじっている北大路くん。



あたしはそれをじっと見つめていた。

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