卒業式がはじまりの日
「翔先輩、好きです。
年下だし、お兄ちゃんの妹ですけど……それでも翔先輩のことが好きなんです。
翔先輩が家に来てくれることを、話せることを
笑顔が見られることを、毎回楽しみにしてました。
わたし……先輩じゃなくちゃだめなんです」
ちょっと前に止めた涙がまた溢れてきた。
コンクリ―トにわたしの涙が跡をつけていく。
翔先輩にわたしの気持ちはちゃんと伝わったかな?
「…………」
黙り込んだ先輩。
その雰囲気からわたしは先輩の答えが分かってしまった。