卒業式がはじまりの日



一年後の4月。



わたしは両親に買ってもらった新しいパリパリのスーツに腕を通す。



スプリングコートも着て、黒いパンプスにも足を入れる。



外の世界は公園や通りに桜が満開に咲いていて



風が吹くと花びらが音を立てずにひらひらと落ちていく。



家を出て、電車に乗ろうと駅まで向かうと



大好きな彼を見つけた。



今日先輩は学校がないのに、来てくれたことが嬉しくて



わたしは慣れないパンプスにタイトスカートを履いているのに



彼に向かって走り出したんだ。



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