卒業式がはじまりの日
「わたし……翔先輩と仲良くなれてよかったです。
部活に入ってなかったので、先輩がわたしにとって唯一の先輩でした。
受験が決まってから何回も他の先輩達と遊びに来てくれて
でもわたしは他の先輩達とは全然話せなくて……
そんな時にみんなから抜け出してわたしに声を掛けてくれて、優しくしてくれた先輩を本当に感謝してます。
それであの……」
肝心なことが……口から言葉にできない。
ドキドキがもっともっと速くなって、どうしたらゆっくりに戻れるのか分からない。
心配そうにみつめる先輩にわたしは覚悟を決めた。