to the last

《光弥》




─｢なぁ。今の電話、
菜子ちゃんだろ？｣



『あぁ…うん。』


今の電話は
付き合って５年になる
彼女。


｢菜子ちゃん何て？｣

『うん…まぁ
いいじゃん！何でも。』



｢…お前さぁ。
かわいそうだよ、菜子ちゃん。何で呼んでやんねーの？｣



『………。』






かわいそう、とは思う。
別に菜子を嫌いなった
とかじゃないから。


でも何でか、
菜子が隣に居ない時の方が
楽しく思えてしまう。


菜子が隣にいたら
息苦しいく感じて、



あんなに好きな
菜子を鬱陶しいとまで
思うようになってしまうのだ。