教えてくれたのは、あなたでした


「あ…はい。」


そっか、だから見たことあると思ったんだ!

と考えていると、人影が見えた。

「わり、遅くなっ、て……え?」

浩多は何故か固まって、お母さんの方を見ていた。


「…か、母さん。?」
そう言って、口を開いた。
違う、と言って。
まるで、そんな願いを込めているかのように。


「ごめん、ごめんね、浩多…」

「嘘、嘘だ、何で?」
と浩多は繰り返している。

「ごめんね、浩多」
お母さんも、ごめん。とずっと繰り返している。

< 122 / 184 >

この作品をシェア

pagetop