教えてくれたのは、あなたでした
「あ…はい。」
そっか、だから見たことあると思ったんだ!
と考えていると、人影が見えた。
「わり、遅くなっ、て……え?」
浩多は何故か固まって、お母さんの方を見ていた。
「…か、母さん。?」
そう言って、口を開いた。
違う、と言って。
まるで、そんな願いを込めているかのように。
「ごめん、ごめんね、浩多…」
「嘘、嘘だ、何で?」
と浩多は繰り返している。
「ごめんね、浩多」
お母さんも、ごめん。とずっと繰り返している。