教えてくれたのは、あなたでした









『…なんで、あんたじゃなくて美香がっ。まさかっ、あんたが美香を…』






その続きが聞きたくなくて私は走ってその場を逃げだした。

だけど、居場所がない私はどこかに行くこともなく、“明日から学校に行かなきゃ毎日あの言葉を聞くことになる”なんて考えながら、その日はただブラブラしていた。


美香がいなくなってから、お母さんは情緒不安定になり、仕事をずっと休んでいる。

せめてもの救いは、社長が知り合いで、お母さんの長期休暇を許してくれること。

お父さんは昔から、仕事が第一の人で美香がいなくなっても仕事仕事で、家に帰ってくることはほとんどなかった。

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