教えてくれたのは、あなたでした
優子ちゃんに、あの男の子が浩多だって言わなかったのは、言う機会がなかったから…
なんて、ただの言い訳で。
ほんとは…
優子ちゃんは優しいから、
浩多があの男の子だって知ったら
浩多が私のことを忘れてる。なんて分かったら
私が辛いって思ってるんじゃないかって、心配してくれるって思ったから。
自意識過剰だって言われても、優子ちゃんは優しいから…
そう思わずにはいられなかった。
それに、私が浩多に忘れてるよって言わないことに理由があるんじゃないかって思ったら、優子ちゃんの口からもその事は言えないんだ。
だから、優子ちゃんが悩むと思って。
私は何も出来ないんだって、苦しむと思って…
だけど、今の私は それが正しい選択だったのかなんて分からなくなった…
優子ちゃんの為だって思って黙ってたことが、逆に優子ちゃんを傷付けてたなんて思ってなかった。
ーーーこんなときなのに、浩多を頼ってしまいたいと思っている私は馬鹿だろうか…