教えてくれたのは、あなたでした


「…あ、」

後藤の事情を忘れてたのか、今になって気まずそうな顔をする。


でも…「いいねっ、それ!」
当の本人は喜んでいる。


「優子ちゃん、平気なの?」

「?何が?」

「あ、えーとっ、お父さん?」

言うのが気まずいのか、何故か疑問系の本井。


すると後藤は
「あ…ごめんね。二人に余計な心配かけて…
私は大丈夫だからさ、久しぶりに楽しもうよっ」
と切ない顔をしているのを隠すように明るい口調で言った。

大丈夫じゃないんじゃないかな…
なんて思ったけど、後藤が隠していたいんなら。と思い、聞かないことにした。

そして、「そうだな」「うんっ!」と本井と返事をした。




「浩多っていつまでこっちいるの?」

後藤の言葉で、本井が一瞬悲しそうな顔をした。

「…あ、明後日まで。」

「そっか…」

今度は二人が悲しそうな顔する、

「だから遊ぼう!」

明るく言った俺の言葉で、二人は少し嬉しそうな顔をした。


«浩多side終わり»

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