教えてくれたのは、あなたでした
「…俺が、出ようか?」
そう、浩多が言った 。
けれどすぐ、
「で、でも!もし浩多が出て、相手を刺激したりしたら…」
と、優子ちゃんが心配そうに言った。
私のせいで困っている二人を見て、
「ううん、…私が出る。」
そう、決めた。
すぅーはぁー、玄関の前で何度か
深い深呼吸をして。
「…はい。」
そう言いながらドアを開けた。
「チッ、おせぇんだよ。
てか、お前何逃げてんだよ、さっき。
俺、お前のせいで頭打ったんだけど、ここ。なぁ、分かる?ここ。」
こーこ、と強調しながら指で頭を打ったであろう箇所を私に見せてくる。
どういっていいのか分からず
私はただ、謝っていた。
「ごめんなさい、…」