教えてくれたのは、あなたでした




姉が、トラックにひかれたの。
私はすぐに状況が呑み込めず、拒絶するように意識を失った。
目が覚めたのは病院で、目の前にお母さんが居た。
やっぱり親なんだって、私の事心配してくれてるんだって嬉しかった。
でも、そんな私を裏切るようにお母さんは口を開いて『美香っ』って姉の名前を呼んだ。何度も何度も心配そうに…その中に私の名前はなかった。
『私は美紀』って苦しかったけど、辛かったけど なんとか声を振り絞ってお母さんに伝えた。
そしたら、“嘘つき”って恨みのこもった目で私を睨んできた。
間違えたのはお母さんなのに、なんで私が悪者になってるんだろうって、なんで私が睨まれてるんだろうって何度も思った。
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