とろける恋のヴィブラート
「あの御堂さん、そういえば、曲のリスト見ましたよ。最後の曲目のところ“???”ってなってましたけど、あれは未定ってことですか?」


「……いや」


 御堂は奏を見向きもせずに、今度は飾り物のオブジェを物珍しそうに眺めている。


「え? じゃあどういう……」


「お前は俺に合わせていればいい」


「は……い?」


(俺に合わせてればいいって……もう! どういうつもりなんだろ)


 呆れ返って時計をみると、いつの間にかパーティー開始時刻が差し迫っていた。
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