とろける恋のヴィブラート
「柴野さん、お待たせしました」


 化粧室から奏が戻ってくると、柴野の険しい表情がさっと爽やかなものに変わる。


「あぁ、おかえり、じゃあ行こうか」


「はい。あれ?」


 預けていた荷物を受け取ると、奏は何か物足りなさを感じてドレスの入った袋がないことに気がついた。
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